雑草園の雑木林エリアの向こうに使っていなかった場所がありました。夏にはクズが生い茂り近づくことができません。そんな場所を1時間ほどで「開拓」して、自家採種していた甲州モロコシとヒマワリを種下ろししてみました。もちろん無肥料、無耕転ですが、結果は他の場所より数倍速い生長で、背丈も2メートルを超えて、モロコシをたくさん実らせてくれました。農地として使われていた場所は化成肥料と耕転で土が死んでしまっている場合が多いようですが、草やマント群落に覆われている「荒れた土地」は枯れた植物の蓄積によって土が生き生きしているため、最初から収穫が期待できます。そして、枯れたモロコシの茎や葉、次々に出てくるクズの芽や草の刈り取ったものは、きちんと土の上に重ねて次の収穫のために土を繋いでいきます。こんな豊かな場所なのに荒れたように見えたのは人間の錯覚だったのでしょう。
雑草園とは
雑草園は山梨県北杜市にある自然菜園です。土を生かしながら文章そして作品を収穫し、みなさまに出荷しています。
雑という漢字は色とりどりの糸を集めて衣を作る意味から、同じではないものが混じり合いながらひとつに集まっていることを表します。
草は地から芽吹いて上へと向かうところから、物事のはじまりという意味も持ちます。
宇宙のように見えるものは、多様なものが一点に凝縮されて、そしてまた多様に展開していく、その躍動的な姿のほんの一部です。
私たちは雑草に「ぞうそう」というよみがなを付けて、自分たちの住む場所の名前とし、小さな雑誌の名前ともしました。それは、荒れてしまった地面をまた緑豊かな森にする、その最初の一点が雑草の種から始まることへの、畏敬の意味でもあります。
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