自然信仰巡礼

阿智神社奥宮

長野県の昼神温泉に程近い、阿智神社奥宮を訪れました。昼神温泉は国鉄中津川線のトンネル工事で湧き出したという珍しい温泉。残念ながら中津川線は未成線に終わりましたが、横を通る中央自動車道は、8000m以上の長さがある恵那山トンネルで伊那谷から木曽谷へと抜けています。静かに旅館が並ぶ温泉街を通り過ぎて、深い淵を作り出す阿智川と黒川の合流するところに、何やら深い森へと続く階段が誘います。

阿智神社奥宮には、社殿より一段高いところに菱形の磐座があります。八意思兼命と天表春命の鎮座地とされていますが、八意思兼命は自然の叡智を司る神様。御子神である天表春命は自然から生み出される恵みの神様。そこに感じられるのは、神話が作られる以前から繋がる古代の祭祀の場。その点としての力は長野、そして秩父・関東方面へとその影響範囲を広げていったのでしょう。

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