私たちを乗せた都バスは三ノ輪橋へと向かっている。右手に古そうな木造の店舗が見えてくる。
「あそこはいつも混んでるな」「千束の支店もうまいよ。割りあいすぐに入れるし」「へえ」バスは信号で停まる。店の横に行列ができている。開け放った窓から油が弾ける音が聞こえてきそうだ。
牛嶋神社。大きな黒い撫で牛の横から出ると正面にスカイツリーがきれいに納まる。信号を渡って一つ目を左。小さな店に天丼のお品書きを出す「花屋」がある。店内は狭く、胡麻油で黒く揚がった穴子天は丼からはみ出している。
天丼ばなしから始まる新しい「雑草」を発行いたしました。お手元に届きましたら、どうぞお楽しみください。

