雑誌「雑草」

雑草08

雑誌「雑草」はA6サイズ。小さなプリンターがあれば小さな出費でもたくさん発行できます。継続して発行がしやすいこと、この体裁でなければできないこと、この両立が面白いです。

雑草のタネのように、風に乗って気ままに配布しています。

もし皆様で「自分メディア」を発行されていましたら、ぜひ、雑草園までお送りください。「本の森」に収蔵させていただき、皆様にご紹介いたします。個性的な「自分メディア」の輪が広がっていくことを楽しみにしています。

最新号の一部をご紹介します

FOOD FOREST

接点の中にすべてがある

山の森と昔からの畑のあいだに一本の大きな栗の木がある。枝を四方に広げて幹に深い皺を刻んでいる。春先、その下で一匹の小猿が栗の実を拾って食べていた。サルは私たちを見つけると栗の木にスルスルと上っていった。森からすぐのところに実のなる木があって、サルがそれを食べている。大きな栗の木はサルたちの安全な逃げ場にもなっている。そこに何とも言えない調和した世界を感じる..

Mok et Tap

多摩川の話

多摩川は、アザラシのタマちゃんがやってきた川で、上流には奥多摩湖と呼ばれている小河内ダムがあり、中流域には、もともとは石灰を下流にはこぶために敷かれた線路があり、JR青梅線が川に沿って通っています。渓谷から平野部が広がっていくあたりから川は扇状地の南側を流れ、下流は東京都と神奈川県の境となり、源流から百三十八キロの河口で東京湾に流れ出ています..

自然信仰巡礼

御穗神社

新潟県の糸魚川から静岡県の清水に至る縦の溝。そして九州から茨城に至る横の溝。その周辺には古くから多くの特異な場所が作られてきた。北九州から朝鮮にかけての海洋民族であった安曇族も、何かに追われるように、そして何かを辿るように、糸魚川からこの大きな溝に沿って南下してきている。東西日本の境目、南北日本の境目に昔の人は何を感じたのだろう。この縦の溝は諏訪で横の溝と交わった後、富士川沿いに南下、身延山を経て静岡県の興津で海に出る..

羽車神社

神の道を海へと向かう。松の並木が本当にまっすぐに続いている。途中の休憩所で先ほどのお寿司屋さんのお弁当をいただく。酢飯の加減がちょうど良い。休憩所を後にして、まもなく海というところで地形が波のように大きくうねる。手すり付きの階段のような坂道を上がると松の森、そして丁寧に囲まれた羽衣の松はすぐ見つかる..

和み部屋

高尾の思い出、高尾山

高尾山は八王子のベランダからよく見えました。リフトも見えました。昔、高尾山口まで家族で電車で行き、川のアヒルにパンをやったり、魚釣りをしたりしました。バケツにたくさん釣れて、帰りに蕎麦屋に入りました。皆が覗き込みます..

山小屋にて

クスノキのカフェ

バスは温泉街の細い道を抜けている。どこから来たのかサングラスをかけた動きの派手な集団が窓の後ろへと流れていく。登山帽の集まりも流れていく。もう温泉旅館も疎らになって、この先は山だけというところで一人の男性が下車する。ドアが閉まり峠越えのメンバーは私たちだけに確定した。車幅ギリギリのカーブを大きなハンドル捌きで進んでいく..

BOOK FOREST

辺境・近境 村上 春樹 著

村上さんは、瀬戸内の無人島、メキシコ、讃岐、ノモンハン、アメリカ横断、(故郷である変わり果てた)神戸を歩いている。実際に目で見て肌で感じたことは言葉として確実に伝わってくる。ノモンハンはもちろん、意外なことにメキシコでも神戸でも村上さんは同じ暴力の影を感じている。それぞれの世界は地球の表裏くらい異なるはずだけれど、全く同じ力によって破壊され、そこに住む人たちの日常にもその地面にもくっきりとその影を落としている。魂を売った人々が虚ろな人々を誘導し、破壊に加担する者たちを殖やしていく。世界の隅々が無表情な影に塗りつぶされていく..

雑草7
雑草6
雑草5
雑草4
雑草3
雑草2
雑草1

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複製も自由です。綴じを外して、4ページごとに両面コピーをして、半分に切って、再び綴じて。雑草のように自由に配布できます。

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