雑誌「雑草」はA6サイズ。小さなプリンターがあれば小さな出費でもたくさん発行できます。継続して発行がしやすいこと、この体裁でなければできないこと、この両立が面白いです。
雑草のタネのように、風に乗って気ままに配布しています。
もし皆様で「自分メディア」を発行されていましたら、ぜひ、雑草園までお送りください。「本の森」に収蔵させていただき、皆様にご紹介いたします。個性的な「自分メディア」の輪が広がっていくことを楽しみにしています。
最新号の一部をご紹介します
丸い家の暮らし方
我が家は丸い。正確には基礎は十角形をしていて、その上に三角トラスを組み合わせた半球状の屋根が乗っている。バックミンスター・フラーが考え出したジオデシック・ドームと同じ構造で、炭素60の分子構造でもある。まあ、あまりない形の家ではあるけれど、近所の縄文遺跡に復元された竪穴式住居を見に行ったら、意外にも我が家と感じがよく似ていて何となく安心した。これは住居の基本形かもしれない、と。しかし、この家に移り住んで割とすぐに問題が発生した。
夏野菜をいただく
今回は、クルジェットを使ったシンプルなお料理三種をご紹介したいと思います。クルジェットとはフランス語でズッキーニのことです。フランス語って美味しいものにはカッコいい名前がついているよね、と夫と話をしていたことがあります。「シャンピニオン(マッシュルーム)」とか「フランボワーズ(木苺)」とか・・・。さて、一つ目は「カレー」です。
荒船山神社 遥拝殿
長野県佐久市。噴煙を上げる浅間山が近い。古代の人の火山への信仰をまだピッタリと感じることはできていないが、煙を上げる山がすぐ近くにあるというのは、勝ち目のない大きな生き物を目の前にしているようで落ち着かない。その広大な裾野を群馬との県境へと向かう。存在感のある岩山が顔を出し始める。これはずっと古代の火山の跡らしい。
中之嶽神社
言葉は形になりやすく山や岩は無形である。言葉には本来、形は無いのだけれど、固定化されて人の判断を簡単に偏らせてしまう。戦に勝った者は言葉を書き換えて、信じられてきたものの意味を変えてしまう。しかし封じ込められた言葉は形を無くすことで力を温存している。下仁田のすぐ北に妙義山がある。こちらも古くからの信仰の場であり、高さ二〇米の大黒様のある中之嶽神社を訪れた。黄金色の大国様は見ているだけで豊かな気分になる。
ウグイスと鳥たち
山梨へ八王子から移住して、こちらでもウグイスが鳴いてくれて嬉しかった。朝シャッターを開けるとウグイスがオハヨウと「ホーホケキョ」と鳴いてくれる。鳴き声を聞いていると、色々な鳴き方をしていて可笑しい。やっと「ホーホケキョ」と鳴いた時は褒めてあげると喜んでまた鳴く。外から帰ってくると「お帰り!!」と鳴いてくれる。
山の子
その道はダム湖へと向かっていた。中央構造線に沿った細長い湖だ。ダムの横には小さな公園があって、堤の上を歩くことができる。三角の彫刻刀で削ったような谷にブルーグリーンの湖面が真っ直ぐに伸びている。「いやあ、きれいなところですなあ」振り返るとご年配のご夫婦の笑顔があった。「思っていたよりキレイでしたわ。遠くまで来た甲斐がありますわ」「どこからいらしたんですか?」「静岡です。朝出て、いろいろまわって来たんで。お宅らは?」「山梨です。長坂という八ヶ岳の麓の」
たのしいムーミン一家
ヤンソン 著 山室 静 訳
僕は友達二人とキャンプに出かけていた。家からはそう遠くない山の中。クルミの木が生えていて、川が流れている。夏だけのキャンプ場なので今は誰も居ない。管理人も。テントを三つ張って、その真ん中にタープを張って、その下で夕食を作って食べる。それぞれが自分の食べ物を作るのが僕たちのスタイル。僕はトマトの缶詰で何かを煮込んでパンを食べた。皿を洗って片付けている時、ラジオを家に忘れてきたことに気がついた。一人だけのテントの中でラジオを聴くのがキャンプの大きな楽しみだった。僕は「ちょっとラジオを取ってくる」と言って家に帰った。
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